[奈]海での戦い

「はぁ…はぁ……」
何度も目の前に出てくる敵さんを倒し…
そして何度も床へと叩き付けられたが
もはやその数回数を数えるのも疲れる状態なのですけれど…
体はそう許してはくれなかったです…
ふらふらで視界の焦点があやふやなのに…
それでも立ち上がってしまった…
全身の関節があげた悲鳴を無視し…
甲板を蹴って次の船へと跳躍する…

流れる潮風が変な匂いで満ち溢れていた…
なのに…それを身に受け
さらに高揚した内に秘めた獣の衝動が動き出す…
ふっと思えば…この学園に来てからこれで何度目の戦争になったのだろう…
他の皆さんはどんな思いで参戦したのかは分かりません…
ただ…慣れと言う言葉は恐ろしく思えて来る…
昔の自分なら躊躇いがあったのに…
今は相変わらず気絶させることを最優先にしたけど…
なのに体の反射は思考よりも早く相手の攻撃へと反応する…
なぜ…？今回の敵さんは完全の破壊の具現だから…？
多分…正しい…でも少し違う…

きっと…飢えていたのだろう…
でないと…あんなに強く肉の中に拳を突き刺したりはしなかった…
あんなに熱い炎を叩きつけたりはしなかった…
自分は自分ではない…そんな感じ…
でも…割れたガラスの破片から映し出された顔は…
瞳を青く光らせながら笑っている自分だった…

でも…大丈夫…この戦いが終わった時…
きっと満腹になって大人しくなるはず…
獣はみんなそうだから…
そう自分に言い聞かせながら…
空母の船底に穴を開くべき、他の仲間たちと一緒に
拳に包み込んだ炎を床に叩き付けた…