[奈]決意・・・傷痕・・・世界の色・・・

目を覚ますと・・・保健室のベッドの上に横たわれていた・・・
深夜で全身火が付いたままで廊下で気絶すると・・・
こうなるのも・・・おかしくなかった・・・
でも・・・保険医の目を盗んで・・・逃げました・・・
何故かというと・・・腕の火傷を・・・治したくはないから・・・
この傷は・・・受けるべき・・・罰だと思ったから・・・

よろよろと・・・家に着く・・・
そこで・・・声が届いていないことを知りました・・・
絶望した・・・もう・・・
何もかも・・・どうでも良いかと・・思った・・・
このまま・・・消えよう・・・
でも・・・タマちゃんを・・・置いていくわけにはいけないので・・
タマちゃんを抱き上げ・・・
アームブレイド付きのIGCをポケットに仕舞い・・・
茶室へ向かう・・・もしかしたら・・・
誰かに会えるかもしれないって・・・
タマちゃんのことを・・・頼めるって・・・思ったから・・・

茶室に着き、端っこに座って・・・
タマちゃんを抱いたまま・・・室内を見渡る・・・
楽しい時間が・・・ありました・・・切ない時が・・・ありました・・・
色んな思い出が詰め込んでいるこの一室は・・・
掛け替えの無い・・・宝だった・・・
けど・・・今日で・・・最後・・・

いつの間にか・・・由美先輩が来た・・・
・・・平手喰らった・・・覚悟が・・・出来ていたつもりだった・・・
でも・・・平手を喰らった瞬間・・・音無く崩された・・・
これは・・・偽りの強さだった・・・ただ・・・逃げ出したいだけの・・・
言い訳だった・・・ボロボロで流れていく涙は・・・その証拠でした・・

色々・・・相談に乗ってくれた由美先輩は・・・
全部を・・・聞いてくれた・・・
頭を・・・撫でてくれた・・・
暖かくて・・・優しい手付きで・・・
いつの間にか・・・泣き止みました・・・

一旦家に戻り・・・見られたらまずいと思って・・・
包帯を両腕に巻きつけた・・・
でも・・・逆効果だった・・・
亮先輩のお菓子を受け取ろうとした時・・・ばれました・・・
叱られるかと・・・思っていましたけど・・・
由美先輩と・・・同じことを・・・してくれました・・・
励ましてくれた・・・頭撫でてくれた・・・
また・・・情けなく・・・泣き出した・・・

それから・・・兄さんから問い詰められた・・・
腕を治すつもりでいたことを知っていますので・・・
誤魔化そうとしたけど・・・駄目だったので・・・
見せました・・・肩以外全部・・・やられている両腕・・・
お願いした・・・全部を・・・治さないって・・・
そしたら・・・蟲の感触で・・・また・・・気絶した・・・

目を覚ますと・・・兄さんに膝枕させれた・・・
慌てて起き上がって腕を確認すると・・・
火傷はもう右の・・・二の腕にしか・・・残っていなかった・・・
でも・・・これでも・・・良いと・・・思った・・・
袖で隠せる程度なら・・・
他の人に心配かけられることなくに済む・・・
傷を撫でながら・・・決めました・・・
これは・・・教訓・・・仲直りまで・・・治さない・・・
自分のした間違いを・・・受け入れるっと・・・
そして・・・もっと・・・強くなろうと・・・諦めないっと・・・

　　　　　　　　　決めました

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
由美先輩・・・亮先輩・・・そして・・・兄さん・・・本当に・・・
ありがとうございました・・・・
優しくしてくれた・・・励ましてくれた・・・
まるで・・・世界の色が変わったように・・・
今・・・心が少しだけ・・・
軽くなってきたような気がしてきました・・・

腕を見せた時・・・兄さんが妙な事を言いました・・・
「奈留も閂もほんとよくにてるよに～」って・・・
一体・・・何のこと・・・だろう・・・