[奈]家出二日目・・・ただいま・・・（早っ!?

・・・やっぱり寒い・・・
別の公園で朝を迎え・・・私は目を開けました・・・
昨日のところへ戻ればマサヨシさんたちに会えるのだけれど・・・
大人しく由美さんのところで休みを取るのも良いなのに・・・
家出なのにいつも他人を頼ってばっかりではいけないっと・・・
自分に言いつけたので・・・また新しい場所を探した・・・
その場所は・・・この寂れた公園だった・・・
朝の寒い空気に包まれ・・・
錆が浮いている遊具が忘れられたかのように・・・
寂しそうで立ち尽くしている・・・

前の公園と違って、飲用水を確保するには苦労した・・・
水飲みから出てきたのは茶色の液体で・・・飲むのを躊躇っていた・・・
仕方なく・・・ファストフード屋さんのトイレの水道水を確保した・・・
「何だか惨めだね・・・」思わず苦笑した・・・
まるで・・・この国に来たばっかりの時と同じでした・・・
生きるためなら・・・何でもするって・・・

ふらふらと町中を歩き回った・・・行き当てがあるけど・・・
迷惑掛けたくないっと思って無理やりに自分で拒否をした・・・
・・・けど・・・体が言うこと聞かなかった・・・
いつの間にか・・・知り合いさんが作った結社の前に立っていた・・・
部屋貸し出し中っていう看板がぶら下がっており・・・
思わず見入った・・・でも躊躇った・・・
家出なのに・・・また居場所を探そうとした・・・また・・・頼ろうとした・・・
けど・・・声掛けられた・・・
「短期でも長期でも良い、貴方ならいつでも大歓迎だ」って言われて・・・
戸惑ったけど・・・部屋の鍵を・・・受け取りました・・・

いつの間にか・・・夜になった・・・
持ち出した漬物はそろそろ食べ切った所で・・・空腹感がひどく・・・
情けないけど・・・またあの場所へ向かった・・・
入った時・・・凛さんだけが居て・・・少しだけ安堵した・・・
兄さんと出くわしたら・・・どんな顔をすれば良いのかが・・・分からないから。
お腹が空いているのを気づかれて・・
凛さんからポッキーをおごらせてもらいました・・・凄く助かった・・・
まるで雅貴先輩と同じように後光が見えてきたような気がして・・・
思わず線香を取り出そうとしたとき・・・いきなり兄さんからチョップを喰らわした。

チョップ・・・チョップ・・・連続チョップ・・・
痛い痛いって言いながら逃げ回ったけど・・・兄さんはそれをやめなかった・・・
家族に幻想抱きすぎって言われた・・・
・・・・・元々血が繋がっていない関係で・・・
それでこそ幻想そのものじゃないのかなって言ったら・・・
・・・平手喰らった・・・ここでの・・・３度目・・・
でも・・・次で聞いた言葉は・・・いつもの兄さんのとは違うものでした・・・
・・・真っ直ぐで・・・分かりやすくて・・・いつももやもやした印象ではなく・・・
ちゃんとした形として感じ取れる存在・・・・・・
私がまた・・・兄さんのことを傷ついたのを・・・実感した・・・
・・・心配してくれていることを・・・感じたから・・・
・・・謝った・・・口で一回で・・・心の中で何度も何度も・・・謝り続けた・・・

いつもと違うの兄さん・・・そこには・・・落ち着かないの緊張感があったけど・・・
不器用な優しさも・・・あったような気がした・・・
ふっと思えば・・・その顔は・・・どこかで見たことあったような気がする・・・
・・・・・・あの時だった・・・兄さんと二人で一緒に寝た時で見た・・・
あの寝顔から伝わってくる感じと同じでした・・・・・・。

脱いだのこと・・・やっと分かった・・・
道化の仮面を外し・・・素顔になったそこには・・・優しさがあって・・・
私が求めている居場所も・・・そこにあった。

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扉を開けて、荷物をベッド上に下ろし、タマちゃんを招き入れて室内を見渡る・・・
２日前と全然変っていないのボロアパートの一室・・・私の居るべき場所・・・

服を脱ぎ捨てて、シャワーを浴びに行った・・・
二日ぶりのシャワー・・・暖かい水と共に・・・
疲れと・・・嫌な思いが流されていくような気がする・・・

浴室から出て・・・別のワイシャツに着替えて・・・
テーブル上に置いてある大家さんへの手紙を取って・・・
指先から炎を出してそれを燃やす・・・
・・・赤い炎に包まれていく紙を見つめながら・・・ただいまっと・・・呟いた。


荷物の中で静かに横たわっている鍵・・・
「聖風館４０７号室」って書いてあるそれは・・・
私のもう一つの居場所には成れるのだろうか・・・
二つの居場所・・・欲張りで・・・良いのかな・・・（ぽそり